鉄筋継手の工法と種類

鉄筋フープ

鉄筋の継手工法には、重ね継手ガス圧接継手溶接継手機械式継手などがあります。

それぞれの継手工法には特徴があり、メリットとデメリットがあります。

超音波探傷試験検査を行う技術者(資格者)は、それぞれの継手工法の特徴を知ることによって、作業効率のUPや検査結果の正確性が向上します。

重ね継手の工法について

重ね継手工法

重ね継手とは、鉄筋の部材同士の端を一定の長さで重ね合わせて継ぐ方法です。鉄筋を一定の長さで重ねて行くので必然的に鉄筋の種類(異形鉄筋/丸鋼)や鉄筋径フックの有無コンクリート強度定着長さなどによって鉄筋を重ねる長さが変わります。

例1:D10=400mm以上の鉄筋重ねが必要

例2:D13=520mm以上の鉄筋重ねが必要

重ね継手のメリットとしては、技術や知識、経験などは必要ですが重ね継手専用の機材がないのでコスト面においては、他の継手の工法よりも安価で継手をすることができます。

デメリットとしては、重ね継手が出来る鉄筋経は、28mm以上の丸鋼またはD29以上の異形鉄筋においては,重ね継手をすることが出来ません。

ガス圧接継手の工法について

ガス圧接継手工法

ガス圧接継手とは、フラット(平面)に切断した鉄筋の端面同士を密着させて、加圧(圧接器(SDシリーズ)と圧接機器を使用)と加熱をすることによって鉄筋の継手を作ります。

ガス圧接継手のメリットは、機材の持ち運びが容易で比較的にコストも安く、切断した鉄筋どうしを直接接合するために継手性能への信頼性が高いのが特徴です。(1951年頃~使用されています)

ガス圧接継手工法は、手動ガス圧接、自動ガス圧接、熱間押抜ガス圧接継手工法の3種類ありますが、現在においては98%が手動ガス圧接工法が用いられています。

手動ガス圧接継手工法の欠点は、天候に左右されやすい為に悪天候での作業が出来ない時もあります。

手動ガス圧接の燃料ガスについては、アセチレンガス、高分子天然ガス、水素エチレン混合ガスなどが燃料となっています。

溶接継手の工法について

溶接継手工法

溶接継手工法には融接(アーク溶接、テルミット溶接、被覆アーク溶接、半自動アーク溶接)やろう接(アモルファス溶接)、圧接(抵抗溶接、フラッシュ溶接、アプセット溶接、摩擦溶接)などがあります。

溶接継手工法のメリットは、先組鉄筋プレキャスト部材の接合にも適用でき、余盛が小さく、接合能率は太径になるほど効果が大きくなります。

溶接継手工法のデメリットは電気を使用する為、感電などに気を付けなければなりません。また、アーク光(紫外線、赤外線)や溶接熱による火傷、ヒューム(金属蒸気が固化して煙状になったもの)や有害ガス(一酸化炭素中毒)などにも気を付けなければなりません。

また、裏当て材(銅、鋼、セラミック)などを必要とする物が多く、技量資格者による技量の依存性が高いことで知られています。

現在の溶接工法

EE-JOINT工法 裏当て材

CB工法(裏当て材はセラミック)・H-SB工法(裏当て材は鋼製)・KENーSH工法(裏当て材は銅製)・ NKF工法(裏当て材なし)・NKE/UH工法(裏当て材は銅+鋼製/セラミックパッキング)・SBR工法(裏当て材は鋼製)・NT工法(裏当て材は鋼製)・ニューNT工法(裏当て材は鋼製)・ メッシュNT工法(裏当て材はメッシュスリーブ)・EE-JOINT 工法(裏当て材は鋼製)・TS 溶接継手工法SB工法(鋼製)・ アモルファス接合継手工法TK工法などがあります

 

機械式継手の工法について

機械式継手

機械式継手については、1970年代にRC造の施工の合理化を目的として開発(30種類以上)され、1980年第代後半には、高強度鉄筋、太径鉄筋の需要に対応する為にねじ方式継手鋼管圧着継手モルタル充填継手などに工法が絞られました。

機械式継手のメリットとしては、鉄筋を機械的に接合することが出来る為、SD295~USD685までのすべての鋼種に対応することができます。

また、天候の影響が少ない。施工の際に特殊技量を必要としない。比較的、簡単に施工(工期を短縮)できるところです。

逆にデメリットとしては、鉄筋に被せる形となる為、仕上がりの鉄筋径は太くなります。また、ガス圧接継手や溶接継手に比べて価格は割高となります。

また、それらの機械式継手を更に分類してみると、ねじ方式継手(ねじ節鉄筋継手、無機グラウト方式、有機グラウト方式、端部ねじ加工継手)、鋼管圧着継手(連続圧着継手、断続圧着継手)、充填式継手(モルタル充填継手、溶融金属充填継手)、併用継手(ねじスリーブ併用継手、ねじ圧着併用継手、圧着充填併用継手)、せん断補強筋用継手などに分類されます。

 

ねじ節鉄筋継手の工法について

ねじ節鉄筋継手

ねじ節鉄筋継手については、ねじ状に圧延された鉄筋を使用し、雌ねじ加工されたカプラーを用いて接合する工法です。ねじ状の節形状に圧延した鉄筋をカプラーを用いて接合し、カプラーと鉄筋の隙間に無機系グラウト材や有機系グラウト材(エポキシ樹脂)を充填します。

これらは、鉄筋メーカー数社が開発している為、お互いに互換性がなく、同一メーカーの鉄筋とカプラー、付属品をセットで使用しなければなりません。また、メーカーによっては規定の鉄筋の挿入長さも異なるので注意が必要です。

 

モルタル充填継手の工法について

モルタル充填継手

モルタル充填継手については、スリーブと異形鉄筋の間に無収縮モルタルを充填し一体化して接合する工法です。鋼管に鉄筋を挿入し、隙間に無収縮モルタルを充填します。

利点としては、継手施工時に収縮が全くない事とクリアランスが他の継手と比較して大きいこと、主にプレキャスト部材に内臓された主筋の継手にも利用できることが利点となります。近年では、先組み鉄筋の継手にも使用されています。

 

端部ねじ加工継手の工法について

端部ねじ加工継手

端部ねじ加工継手については、鉄筋端部に加工したねじを取り付け、雌ねじ加工したカプラーを用いて接合する工法です。機械ねじを鉄筋端部に摩擦圧着等で接合し、カプラーを用いて接合。異形鉄筋の端部をねじ加工してカプラーで接合します。

 

鋼管圧着継手の工法について

鋼管圧着継手

鋼管圧着継手については鉄筋の両端にスリーブをかぶせた後、油圧tジャッキで圧着し、スリーブを鉄筋の筋に食い込ませて接合する工法です。他の機械式継手工法との違いは、力を加えて鋼管を押しつぶして鉄筋に密着させる点です。

このように鉄筋継手の方法にも様々な工法があり、どの継手の工法にもメリットデメリットがあります。

建築や土木の現場などでは、現場の設計図に見合った継手の工法が用いられていますが、機械式継手の技術や利便性の向上、生産性の拡大などから徐々に機械式継手の工法も増えつつあります。

 

鉄筋の規格について

SD345

鉄筋の規格とは、 JIS G 3112(鉄筋コンクリート用棒鋼)のことをいいます。また、鉄筋の規格にはSR235SR295SD295ASD295BSD345SD390SD490などがあり、それぞれに化学成分や降伏点、引張強さなどに違いがあります。

異形鉄筋の形について

異形鉄筋にはD4(直径:4.23mm)、D5(直径:5.29mm)、D6(直径:6.35mm)、D8(直径:7.94mm)、D10(直径:9.53mm)、D13(直径:12.7mm)、D16(直径:15.9mm)、D19(直径:19.1mm)、D22(直径:22.2mm)、D25(直径:25.4mm)、D29(直径:28.6mm)、D32(直径:31.8mm)、D35(直径:34.9mm)、D38(直径:38.1mm)、D41(直径:41.3mm)、D51(直径:50.8mm)などの呼び名があります。

鉄筋の継手とは

鉄筋継手部分

鉄筋継手の継手とは、2本の鉄筋をつなぎ合わせる部分のことをいいます。

また、鉄筋継手部分をガス圧接継手部分溶接継手部分機械式継手部分とも呼びます。

それではなぜ?鉄筋には継手が必要なのでしょうか?

それは、建物の構造によっては鉄筋の長さや太さが違う為に鉄筋を加工しなければなりません。

鉄筋製造所などで、設計図通りの鉄筋の長さなどの加工は可能ですが、鉄筋の長さによっては運搬できない程の長い物もあります。また、実際の工事現場では設計図通りの鉄筋の長さにならないこともあります。

このように、鉄筋の長さが足りない時に鉄筋を継ぎ足します。鉄筋を継ぎ足す際に鉄筋の継手が必要となります。

・鉄筋継手の検査方法(詳細)については、鉄筋継手部の検査方法を参照して下さい

イン・システム 沖縄