室内環境空気測定とは
室内環境空気測定とは、シックハウス症候群の原因となる化学物質を検査することです。
また、シックハウス症候群とは家の病気のことであり、室内環境空気測定士とは建物(一戸建て住宅・マンションなど)を専門とする空気測定士のことを言います。
イン・システムでは、アクティブ法やパッシブ法、簡易法などを用いて貴方の財産(建物)空間を検査(調査や分析も含む)をして報告書を作成します。
報告書を元に室内環境の改善点などをアドバイスしております。
例えば、新築の家に入居後に体調がおかしくなった。リフォーム後に頭痛やめまいがする。壁紙(クロス)を変えたら喉が痛みやすくなった。畳からフローリングに変更したら鼻の痛みを日々感じる。など、家全体もしくは1部(家具/寝具など)を変えただけでもシックハウス症候群になる可能性があります。
家の室内空間に違和感を感じたら1度、室内環境空気測定(シックハウス検査)をすることをお勧め致します。
シックハウス検査のことならイン・システムにお任せ下さい!!
室内環境空気測定とシックハウス症候群の関係とは
シックハウス症候群とは、新築の家(マンション)やリフォームされた家に入る(長年居住)と「目がチカチカする」、「頭痛がする」、身体などに「かゆみや湿疹などが出た」などの症状が報告されています。
これらは、室内の高気密化(換気不足)や建材、内装材などに化学物質が使用されている為に室内の空気が汚染され、居住者にさまざまな体調不良を生じさせています。
また、症状も多様で未解明な部分が多いのもシックハウス症候群の特徴とも言えます。
シックハウス症候群の原因と言われている化学物質が空気中に浮遊してるのか?を調べる為に室内環境空気の測定を行います。
室内環境空気測定で測定することが出来る主な化学物質
・ホルムアルデヒド・トルエン・キシレン・パラジクロロベンゼン・エチルベンゼン・スチレン・クロルピリホス・フタル酸ジ-n-ブチル・テトラデカン・フタル酸ジ-2-エチルヘキシル・ダイアジノン・アセトアルデヒド・フェノブカルブ・VOC(有機化合物)などがあります。 |
現在、国交省や文化省、厚生省、自治体などが発注する建物(学校や県・市営住宅等)については、ホルムアルデヒドやパラジクロロベンゼン、トルエン、キシレン、スチレン、エチルベンゼン、アセトアルデヒド、VOCなどの化学物質が室内濃度の指針値を上回った場合、その建物を開放することが出来ません。その為、建築物が完成した後に室内環境空気測定士が室内環境の空気を測定します。(※1.公共機関は新築のみ※2.VOC=トルエン、キシレン、酢酸エチル等を含む有機化合物の総称)
室内環境空気測定の方法
室内の空気を測定する方法としては、アクティブ法やパッシブ法、簡易法などがあります。それぞれの方法や特徴などを説明します。
アクティブ法
アクティブ法とは、専用機器に定量の吸引ポンプを用いて強制的に空気を吸引して、空気中の化学物質を捕集剤(サンプラー)に捕集する方法です。定量ポンプを用いることで高い精度、短時間での化学物質を捕集することが出来ます。
測定時間:新築住宅の場合は、作業開始から終了まで5時間半の時間を要します。(測定回数2回/測定前の換気時間30分)
新築以外の住宅(既存住宅)は、24時間の時間を要します。(測定回数1回)
※新築住宅の場合、測定中は関係者以外の立ち入りは禁止
パッシブ法
パッシブ法とは、部屋の中に捕集剤(サンプラー)を吊るして化学物質を吸着させます。
測定位置:壁から1m以上離し、高さは1.2m~1.5mの範囲でサンプラーを吊るします
測定時間:8時間以上24時間以内(測定回数1回/測定前の換気時間30分)
測定時間の条件:測定時間を8時間で行う場合、14時が中心になるように測定時間を設定します
簡易法
簡易法とは、専用機器に検知管を差し込んで30分間吸引します。
※簡易法については、あくまで化学物質測定のめあすとなります。アクティブ法やパッシブ法に比べ正確性や精度は劣ります
シックハウスにかかりやすい人の特徴
・化学物質に携わっている人達(科学者、薬剤師、ビルメンテナンス業者、画家、クリーニング業者、印刷業者など)
・手術に関わっている看護師
・国道沿いに住んでいる人(排気ガス)
・石油コンビナート地域に長年居住している人
・ゴルフ場やビニールハウス/農園の近くに長年居住している人(農薬等)
・焼却工場や廃棄物工場に勤めている人
・マンションのモデルハウスに勤めている人(新築/リフォーム)
シックハウスにならない為の対策
シックハウス対策に最も有効とされている方法として、室内換気、ベイクアウト法、化学物質吸着材(吸収材・分解材料・封じ込め材)などが最も効果的だと言えます。それぞれの方法を実施することでシックハウス対策になります。
室内換気を行う
化学物質は高温になればなる程、放散してきますので室内を換気して温度を下げることがポイントです。
24時間室内を換気させる設備がついている所は運転をストップさせないようにしましょう。
室内に換気設備が整ってない所などには、空気清浄機を24時間稼働させておけば効果が期待されます。
ベイクアウト法を行う
ベイクアウト法とは、化学物質を故意的に発生させることです。
建材や下地材、家具などに含まれている化学物質を室内に発生させ、換気をすることで追い出す方法です。
手順としては、
1.部屋(窓)を閉め切る
2.暖房器具(エアコン、ヒーター等)を用いて室温を35度~40度ぐらいまで強制的に上げる(閉め切る時間は長い程よい)
3.一定時間経過後、部屋の窓をすべて開放して放散された化学物質を外に排出します。(換気の時間は長い程よい)
4.一連の作業を数回繰り返します(回数が多い程よい)
しかし、ベイクアウト法の欠点もあります。
それは、室内を高温にすることによって壁紙(クロス)が剥がれたり、放散された化学物質が他の建材などに吸着してしまう可能性があります。ベイクアウト法を行う際は、高温に弱い物(機材・器具)などを室内に置かないようにしましょう。
化学物質吸着材(吸収材・分解材料・封じ込め材)を使用する
化学物質吸着材では、炭(木炭や備長炭等)が有名ですが炭によっては化学物質を吸収する容量が違いますので注意が必要です。また、容量をオーバーした場合は逆に放散してしまいますので一定期間使用したら取り換えましょう。
化学物質吸収材で代表的な物が珪藻土を用いた塗壁やボード類(天井や壁など)などがあります。これらも容量には限度がありますので注意が必要です。
化学物質分解材で有名なのが酸化チタンですが、身近な物で言えば塗料ぐらいしかありません。用途としては、壁や天井、床などに塗ると若干の効果を発揮します。
化学物質封じ込め材で代表的な物は塗料やアルミシートになります。塗料などは、壁や天井、床などに塗り、アルミシートなどは仕上げ材のすぐ下にアルミシートを隙間なく敷設すれば、その効果が期待されます。
尚、リフォームなどを行う際は無垢材や天然材料を選びましょう。
日本や諸外国のシックハウス症候群の歴史や対策について
日本の呼び名では、シックハウス症候群と呼んでますが、外国ではシックビィルディング症候群と呼ばれています。アメリカでは1980年代に話題となりました。アメリカ居住者での症状としては目まい、吐き気、頭痛、眼や鼻、喉の痛み、皮膚の乾燥、喉がかれる、ゼイゼイする、平衡感覚がおかしいなどの体調不良を訴える人が省エネビル居住者から増えて来たことからシックビィルディング症候群と呼ばれました。
日本では、1970年代に省エネルギー政策以降、高気密、高断熱を住宅建築の基準としたことがシックハウス症候群の始まりだと言われております。高気密、高断熱、快適性を追求した為に多くの化学物質を使用するようになりました。その結果、化学物質が人体に与える影響や影響抑止の研究などが遅れ、シックハウス症候群の人口が加速して行ったと言われております。
シックハウス関連の国際基準について
WHOの基準
WHOでは、1999年12月に空気質ガイドライン(Air Quality Guidelines December 10 1999)を公表しました。
WHOのガイドラインによると、6種類の大気汚染物質以外に39種類の非発ガン性物質と16種類の発ガン性物質に対してのガイドラインと許容濃度を提示してます。
特にホルムアルデヒドに関しては、WHO以外の諸外国でも指針値(濃度)が定められています。
・WHOと日本では0.08ppm。アメリカのカリフォルニア州では0.08ppm、ウィスコン州では0.2ppm。カナダ、オランダ、スウェーデン、ドイツ、オーストラリアでは0.1ppm。デンマークでは0.12ppm。フィンランドでは0.13ppmとホルムアルデヒドの指針値が定められています。
また、日本の厚生省による室内濃度指針値によると、ホルムアルデヒド以外にもトルエン(260ug/0.07ppm)、キシレン(870ug/0.20ppm)、パラジクロロベンゼン(240ug/0.04ppm)、エチルベンゼン(3800ug/0.88ppm)、スチレン(220ug/0.05ppm)、クロルピリホス(1ug/0.07ppm)、フタル酸ジ-n-ブチル(220ug/0.02ppm)、テトラデカン(330ug/0.04ppm)、フタル酸ジ-2-エチルヘキシル(120ug/7.6ppm)、ダイアジノン(0.29ug/0.02ppm)、アセトアルデヒド(48ug/0.03ppm)、フェノブカルブ(33ug/3.8ppm)などに化学物質の室内濃度及び指針値が定められている。
※1.気中温度は25℃で換算
※2.1ppm=100万分の1の濃度、ug/㎥=1㎥/1000ug
日本の建築基準法によるシックハウス対策
建築基準法第28条の2
1.規制対象物質:政令で定める化学物質はクロルピリホス及びホルムアルデヒド。
2.クロルピリホスを添加した建築材料の使用禁止。
3.ホルムアルデヒド発散建築材料の使用規制。換気設備の設置を義務付け。
JAS規格による非ホルムアルデヒド系接着剤使用等の表示
等級3:F☆☆☆☆
等級2:第3種建材・F☆☆☆
等級1:第2種建材・F☆☆
JIS/JAS規格によるホルムアルデヒド放射量による等級区分/表示記号
建材対象物:壁紙、塗料、断熱材
F☆☆☆☆:放射量が小さく使用規制が必要ない建材
F☆☆☆:放射量が比較的少なく、内装材として用いる場合は使用面積を一定割合にすることで使用でき、天井裏等では制限なく使用できる
F☆☆:放射量はある程度あるが、内装材として用いる場合は使用面積を一定割合にすることで使用でき、天井裏等では根気設備や通気止めを設けることで使用できる
F☆:内装仕上げとしては使用できない
公共住宅建設工事共通仕様書
1.防蟻措置を行う際には、「非有機リン系」薬剤に限る
2.内装材に用いる合板類等には、JAS最高等級を使用する
その他のシックハウス対策(日本)
1.住宅性能表示制度の改正(建材系)
2.室内空気汚染対策の通知(国土交通省)
3.学校環境衛生基準の改訂
4.職域における屋内空気中のホルムアルデヒド濃度低減のためのガイドライン
5.建築物環境衛生管理基準の見直し
6.住宅内の化学物質による室内空気質に関する指針
化学物質過敏症とは
室内空気汚染物質や食品に付着している残留農薬などの化学物質を、1度に大量に摂取したり低濃度の化学物質を長期間摂取すると化学物質過敏症になると言われております。
化学物質が引き起こす健康被害には、中毒やアレルギー、化学物質過敏症とありますが、中毒に比べてアレルギーはかなり低い濃度でも発症します。また、化学物質過敏症では、アレルギーの1000分/1の濃度でも発症すると言われています。
分かりやすく症状の重さ度合いで言えば、中毒<アレルギー<化学物質過敏症の順で症状が重くなります。
特に化学物質過敏症については、ホルムアルデヒドが1兆分の1レベルの濃度(ppm)でも反応することがあり、反応すると自律神経失調症や頭痛や目の痛み、吐き気、呼吸困難などの様々な症状が現れてきます。また一旦、過敏状態になると、その後きわめて微量の同系統の化学物質に対しても過敏症状を発症する恐れがあり、化学物質との因果関係や発生機序については未解明な部分が多く、今後の研究課題となっています。
化学物質過敏症の症状
・皮膚の湿疹・喘息・自己免疫疾患・皮下出血・発汗異常・手足の冷え・疲れやすい・めまい・不眠・睡眠障害・不安感・うつ状態・記憶力低下・集中力低下・意欲低下・運動障害・知覚障害・関節痛・筋肉痛・のど、鼻の痛み・乾き感・気道閉寒感・下痢・便秘・眼の痛み・眼精疲労・鼻血 |
※シックハウスと化学物質過敏症は症状が酷似している為、同じ病気だと思われがちですが実際には過敏症状を来すものが化学物質過敏症と厚生労働省では呼んでいます。
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